秋来れば君の面影なつかしき
やさしくも咲くコスモスに似て
寂しさに庭げたはきてただ一人
コスモスの木のそばに立つかなかなしさや 君に似たりしコスモスの
はらはらと風なきに散るああ コスモスは寂しき花とのたまいし
君も寂しき心もつ人
ああ コスモスをこよなく愛でし君なりき
その花のごと寂しかりけり幻におびやかされつつ朝夕を
苦しき思い背負いてすぎぬ
何ごとも胸に秘そめて人生の
細道つたうあわれなるわれかなしみの涙かくして笑みてあれ
寂しかるとも悲しかるともああ やるせなき心抱きて若き日を
一日ひと日と暮らし行くかな
ああ まりにも寂しきことよあまりにも
悲しきことよ生きて居ればこそ名にしおわば君のひとみを花びらに
秘めて咲きてよ君影草よああ わが翼狭かりにしや覆うべくなど
苦しさを語らざりしぞ
ああ コスモスをこよなく愛でし君なりき
その花のごと寂しかりけり