親の虐待による子どもの虐待死が頻繁に報道されるようになってきていますが、全国では、平成11年度に児童相談所が取り扱った虐待相談件数は1万件を突破してしまいました。長野県においても児童相談所における児童虐待の相談取り扱い件数は年々増加しており、平成11年度は164件で、これは10年前と比べて約10倍となっております。
児童相談所の取り扱い件数ですので、実際に発生している児童虐待の件数はもっと多いのではないかと思われます。核家族化、少子化、人間関係の希薄化等により、家庭での養育力の低下が進む中で、閉鎖的な家庭の中において児童虐待が増加傾向にあると推測されます。児童虐待は怪我をさせるだけにとどまらず、子どもの心身の健やかな発育、発達を阻害し、これからの人生を歩んでいくうえで大きな支障になりかねません。児童虐待から子どもを守るには「早期発見、早期対応」が何よりも大切なことです。児童虐待の現状をご理解いただき、特に児童福祉に関係する皆様の一層のご協力をお願いします。
親や育児にかかわる保護者が子どもの世話をせずほったらかしにしたり、子どもの体や心を傷つけることをいいます。しつけの程度をこえるようなことが繰り返され、子どもの心に大きな傷跡を残します。
身体的虐待
たたく、ける、頭を殴る、溺れさせる、煙草の火を押し付ける、寝させないなど。
性的虐待
子どもに性交したり性的行為を強要したりする。
心理的虐待
「おまえなんか生まれて来なければ良かった、嫌いだ」などとののしる。無視する。
棄児、養育の拒否、放任
区分
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平成7年度
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平成8年度
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平成9年度
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平成10年度
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平成11年度
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全国(件数)
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2,722
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4,102
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5,352
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6,932
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11,631
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長野県(件数)
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47
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61
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89
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148
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164
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ア.虐待区分
身体的虐待
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保護の怠慢・拒否
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性的虐待
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心理的虐待
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計
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94(57.3%)
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41(25.0%)
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15(9.2%)
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14(8.5%)
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164(100%)
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イ.被虐待児童の年齢
0〜3歳未満
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3〜学齢前
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小学生
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中学生
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高校生
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計
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29(17.7%)
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62(37.8%)
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49(29.9%)
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15(9.1%)
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9(5.5%)
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164(100%)
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ウ.相談経路
家族
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親戚
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近隣知人
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児童本人
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児童委員
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福祉事務所
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市町村
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保健所
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医療機関
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保育所
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学校等
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警察等
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計
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19
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9
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13
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1
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6
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26
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27
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1
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15
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21
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18
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8
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164
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エ.主な虐待者
実母
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実父
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実父以外の父親
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実母以外の母親
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その他
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計
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86(52.5%)
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39(23.8%)
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21(12.8%)
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4(2.4%)
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14(8.5%)
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164(100%)
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(長野県中央児童相談所まとめより)
こういった事態に対し、各関係機関はネットワーク作りを進め、悲劇を未然に防ぐ努力をしています。社会的孤立の解消、生活ストレスの軽減、子どもの症状の軽減、親の育児改善や治療など、さまざまな援助が可能です。虐待についての連絡、相談は、各自治体の児童相談所や社会福祉事務所で対応しています。もちろん通告した方、相談者の秘密は守られます。ためらわず相談してみましょう。
せせらぎ通信33号より抜粋