Webせせらぎ通信 Vol.6


平和のためにそれぞれのできることを

新年に思う

 新しい年を迎え、みなさんはどんな思いを胸に抱いていらっしゃるでしょうか?世界にとって激動の昨年、希望を描くことさえもう許されなくなるのではないかと悲しみに暮れる瞬間さえありました。こんな大変な時に、なんと自分は無力なのだろうかと悲嘆に押しつぶされそうになりながら、それでもこういった事態に感じ、気付いた者ができることからはじめるしかないのだと自分を奮い立たせ、今日までやってきたのだと思っています。

 そんな折、日頃大変お世話になっているグリーンクロスジャパンの理事長秘書官の川本さんからメールを頂き読ませて頂きました。『「世界がたとえ明日終わろうとも私は今日もリンゴの木を植える。」私の好きな言葉です。それぞれが自分のできることを精一杯させて頂くということではないでしょうか。お互いに頑張りましょう。』そういった内容をつづって下さいました。

 また浦和(さいたま市)で行なったラブ・アース・ライブに出演して下さった、オカリナ奏者のたかはしみつおさんは、年賀状に『武器を持たない国、コスタリカへ行って、平和について学んできます。「武器を捨てた国」という映画ができましたので上映に協力しましょう。』と知らせて下さいました。本当に心強く感じ、私もただひたむきに、大切だと信じることを伝えながら心を繋げていこうと思いを新たにした次第です。ちっぽけな私たちに、世界を大きく変えるだけの奇跡的な力はないかも知れません。しかし、そんな小さな力、思いが集まれば、ある時ものすごい力になって社会を動かしたり、世界にはたらきかけたりできると信じています。誰もがこの地球という星の乗組員です。この地球が壊されていくことに無関心だったり、病んだ部分を見過ごしていては、いつか自分自身にも悲劇は訪れると認識しなくてはなりません。平和であってこそ自由があり、幸せがあり、未来への夢があるのですから。困難は承知で、それでもせずにはいられない、そんな使命感や理想を描く力を持った人々から、全てが始まっていく。そう思います。 だからより大きな理想を持ちましょう。そして自分の持ち場で自分のできる精一杯をすればいいんですよね。それがこの星にとってのベストのはずです。そしていつも世界のことを思いましょう。『Think globally, and act locally(世界的に考えながら、地域で活動しよう)』より強い思いで行動すれば必ず大きな結果となって現れるはずです。ネイティブアメリカンの長老の言葉『兵器より強力な兵器は「祈り」だ』という言葉を私は信じています。

高知のコンサートより

 前号の通信で、障害児を持つ親の会の事務局をされている、小松成江さんの企画して下さったコンサートについてお知らせしたかったのですが、紙面の都合上今回お伝えしたいと思います。

 まずは小松さんについて少し紹介します。小松さんは高知市に住む6人の子供さんを持つお母さんです。10歳になる三男の健太くんは脳性小児麻痺で、四肢に障害があり日常は車椅子で生活しています。そして双子の次女の果保ちゃんと三女の美保ちゃんは妊娠初期にかかった風疹の影響で聴覚障害を持っています。高度な医療が発達してきた昨今、遺伝子操作やバイオテクノロジーを駆使してさまざまな治療が開発されています。そんな中、妊娠中に胎児に異常が発見された時に出産するかあきらめるかという論議がなされてきました。小松さんも医師からあきらめるように勧められたそうです。しかし健太君を大切に育ててきた夫婦は、障害がある子でも大切に育てていこうと話し合って出産を決意したそうです。そして論議の新聞記事に対して小松さんが自分の体験を通して「障害があるからという理由で命を絶つのはおかしい」と投書を出しました。それがきっかけで地元のテレビ局の高知放送の「親の目子の目」というドキュメンタリー番組に取り上げられました。その番組を拝見して、その中で小松さんが口ずさんでいたご本人の自作の曲がとてもいいと思った私たちが、CDにしてみませんかと声をかけさせて頂いたのが私たちとの出会いでした。

 CDが出来上がり、とても喜んで下さった小松さんは地元のコンサートを企画して下さったのでした。(中略)午前の自由民権センターでのコンサートは80名ほどの観客が集まられ、あたたかいコンサートになりました。最後に小松さんが挨拶され、「9月11日は果保と美保の誕生日です。忘れることのできない日となりました。このコンサートで優しい気持ちが広がってほしい。」と、準備が大変だった分、より感激されたのか涙ぐんで話されました。そんな感動が伝わったのでしょう。終了後のCD販売や募金も多くの方が協力して下さいました。

 午後は高知県立療育福祉センターという障害児施設でコンサートを行ないました。小松さんが挨拶され、息子の健太くんが訓練に通っていたが、忙しくてなかなか家族の方達と仲良くなれなかったので、交流の場が持ちたくて企画しました、と話されました。(中略)みんなに覚えてほしいと思いひらがなの歌詞カードを配って「ぜったいみんなでがんばろう」を振り付で歌ってみました。みんな楽しんでくれたかな?多くの方との触れ合いで私たちはいっぱいの元気をもらってきました。小松さん、本当にありがとうございました。こういったコンサートをこれからも行なっていきたいと思っています。

 

せせらぎ通信40号より一部抜粋

 

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